先日、大分県臼杵市へ行ってまいりました。
国宝「臼杵石仏」に出会うことができました。
ご存知の方も多くいらっしゃることでしょうが、
臼杵石仏は平安時代後期から鎌倉時代にかけて岩肌に掘られた石仏です。
61体も存在し、全てが国宝となっています。1100年代?に作られたであろうと言われていて、約千年の時を超えて存在することに何と言っても敬意を表せざるを得ません。
誰が何のために作ったのか、確かなことはわかっていないようです。
しかし、今よりもずっと限られた道具と技術で作られたと考えると、
かなり大掛かりな仕事で大変な作業であったと想像できます。
大変な思いの基で、何らかの意図があり、不屈の精神で作られたことでしょう。
多くの人の幸福を願って作られたと思います。
このお顔をご覧ください。なんて素敵なほほえみなんでしょう。
全てを包み込むやさしさにあふれています。
つい最近まで風雨にさらされ、破損がひどかったのですが、平成の時代に大掛かりな修復がされました。
私が最も好きなのはこの不動明王です。入り口で最初に出会った石仏です。
力強い表情と体躯が魅力的です。
ガイドさんのお話を聞きながら、一回り800mを約1時間で回りました。
仏様に手を合わせて祈りながら進むうちに、がさついた心が穏やかになっていきました。
様々な欲に駆られて諍いをします。人を傷つけ自分も傷つき、人を羨み自分を蔑み、人と比べ一喜一憂する。千年の時を経ても人は同じ過ちを繰り返します。
この石仏を作ろうと思った人は、きっとそんな欲が収まるようにと願ったと思います。
受け取りましたよ!その思い。千年を経て、思いを伝えてくださり、ありがとうございます。
by光
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